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2009年2月 7日 (土)

動物の死

いつかは来ると思っていた。
こんな保育をしているからには、
いつかは遭遇するであろう、動物の死。
今日がその時だった。
ピッコロのそばの道路にネコが死んでいたのだ。

以前、森のようちえん全国フォーラムで
長野の「山の遊び舎 はらぺこ」さんの話しを聞いた。
森の中の廃屋に
きつねが死んでいたそうだ。
それもすでにウジがわいていた。

それを子供たちに見せたという。
私はここぞとばかりに質問した。

「こわい、気持ち悪いと言ったり、
 騒いだりする子はいませんでしたか」

いなかったという。

その時から私も心に決めていた。
子供たちにありのままを見せよう。
そうでないと、
ここで保育をやっている意味がなくなる。

しかし、実際に死んでいる動物を目の前にすると、
迷いもある。
本当に見せて大丈夫なのか。
泣いちゃう子がいたらどうしよう。
このまま子供たちが登園する前に
片付けてしまおうか…。

迷った挙げ句、
ネコはそのままにしておいた。


森に入る途中、
子供たちはネコをみつけた。
「あっ」
と言ったまま、動かない。
次々とネコに気づき、動かなくなる。

ネコを囲んで、しばらく時が過ぎた。
子供たちは、騒ぐでもなく、泣くでもなく、
ただただ、たたずんで、じっと見ている。

どれくらいの時間がたったのだろう。
私にはとても長い時間に思えた。
静かだった。
胸がつまりそうだった。

すると
H子ちゃんが、偶然手に持っていた花束を
静かにネコの顔の横に置いたのだ。

一瞬時が止まったようだった。

次の瞬間、
子供たちは次々と動き出した。
花を摘みに行く。
摘んではネコの回りに置いた。
ネコはアッという間に
紫とピンクに囲まれた。

ここで初めて子供たちが口を開いた。
子「ひかれたのかな」
子「そうかもね」
子「お腹がないね」
子「ライオンに食べられたんだよ」
子「ライオンはここにはいないよ!」
子「猿じゃない?」
子「猿は肉食じゃない」
子「熊かな」
子「そうかも」
子「カラスじゃない?」
子「そうかもね」

なんともよく知っている。

それで、そのあと、どうしようかと思っていた。
すると子供たちが
「寒くてかわいそうだから、葉っぱをかけてあげたい」
と言いだした。
脇にあった枯れ葉をかけてあげた。
ねこにむかって手を合わせた。

泣く子もいない、
叫ぶ子も気持ち悪いという子もいなかった。
子供たちはネコの死を
そのまま受け止めた。

私ガ思う程、子供たちはもろくはなかった。

翌日につづく→→→

山の遊び舎 はらぺこ  http://yamanoasobiya.hp.infoseek.co.jp/index.htm

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コメント

こどもたちにとっての「死」がどういうものなのか。
自分自身の昔を思すと「祖母の死」だったように思います。
言葉で教えるよりなにより見せることが「教育」なのかな・・・なんて思います。
ありのままを見せた先生、隠してしまいたくなる私は恥ずかしくなりました。
そして子供たちの反応・・・なんだかわからないけど涙が出ました。

投稿: hibikihaha | 2009年2月 9日 (月) 11時36分

hibikihahaさん
実際に子供たちを目の前にして。
私も涙をこらえるのが大変でした。
津金のあの静かな町が
今までにないくらい
静まりかえり、
ネコの命と子供たちの命だけが
そこにあるような
そんな場面でした。

「言葉で教えない保育」
大事な事は心で感じて欲しいですね。
(って、難しいですが…)

投稿: ピッコロ | 2009年2月 9日 (月) 13時23分

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