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2009年7月

2009年7月28日 (火)

ブルーベリー弁当

「お弁当がない〜!」
3歳のAちゃんが泣き出しそうだ。
みんなはすでにお弁当の用意をしている。

私「どこにもないの?」
Aちゃん「ない」

すると、G君が「探してくる」と
リュックサック置き場に走ってくれた。

G君「(Aちゃんのリュックには)着替えしか入ってなかった」

困った。
みんなお腹をすかせている。

私「どうしようか」

G君「ブルーベリー弁当は?」
私「ブルーベリー弁当???」

確かに園庭に食べられるブルーベリーはあるが、
それでAちゃんが納得するとはサラサラ思えない。

まぁ仕方がないので、
一応聞いてみた。

私「Aちゃん、ブルーベリー弁当でいい?」
Aちゃん「うん」
私「えっ、いいの。ブルーベリー弁当だよ」
Aちゃん「うん」

子どもはわからない。

そしてブルーベリーを摘みに行く事にした。
年長組と年中組が一緒に行った。
I君だけは、ブルーベリーが植わっている場所と
違う方向に走った。

あれ?

見ていると
手にいっぱいの三つ葉をとってきてくれた。

I君「ブルーベリーだけじゃだめだから」

園庭で食べられる物は
現在、ブルーベリーと三つ葉しかない。

そうか。


いつも思うが
この子たちのすごいところは
大人が何も言わなくても、
ブルーベリーや三つ葉を摘みに走るところだ。

「一緒に摘みにいってもいい?」
もなければ、
「僕が摘んであげたよ」もない。
大人の同意なしに走り、
終われば、何もなかったかのように
自分の席にもどるのだ。


大人になって思うが、
人の目を気にしながら
生きるのは苦しい。
"自分は自分 人と違って当たり前”
そう考えられるようになって、
初めて自由になる。

子供たちには
自分の中からわき上がってくるものと
森の神様とだけの関係で
生きていってほしい。
つまり今のままで大きくなってほしいのだ。

それにしても、
「僕のお弁当を半分あげる」
という子がいなかったのには笑った。
ピッコロっ子の弁当は
みんなとても大きい。
自分の分をあげると
お腹がすいてしまうという事がよくわかっているのか。
それともただのけち?(笑)

子どもらしくて好きだな。
そういうところ☆


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2009年7月26日 (日)

お泊り保育

年長組5人がピッコロハウス(園舎)に1泊した。
午後から登園。
川遊び、カニ捕り、スイカ割り、カレーライス作り、花火、夜の散策。
5人は、難なく過ごす。

夜、フッと目を覚ました時に
「おか〜さ〜ん!」と泣く子もいない。

以前、経験したお泊まり保育。
夕方になるとシクシク泣き始める子が
必ずいた。
しかも年長組だから、プライドもある。
園庭の隅っこに行って
こちらに背を向けてひっそりと泣くのだ。

しかし、ピッコロにはいなかった。
みんなウキウキ。ガヤガヤ。
泣くどころではない。

しかも余裕だ。
夜には、勉強すると言って、
1から順番に数字をノートに書き始めた。

なんと。
スムーズ過ぎて。
これでいいのか。

大きくなったのだ。


翌日、それぞれのお母さんが迎えにきた。
最初にI君のママが来た。
I君は一目散に走っていて
ママに抱きついた。

あれ。

次にS君のお母さん。
Hちゃんが「S君のお母さん来たよ〜!」
と言うと
これもすごい早さで園舎から飛び出て来た。
遠くからお母さんを確認。

ほう。

HちゃんとH奈ちゃんがいないと思ったら、
道路にいた。
お母さんの車を待っている。
しかも目では見えないので、
耳に手をおいて、
音を聞いて待っている。

車が来た時は
2人とも駐車場まで走って走って、
抱きついた。

最後に、今日はほかのお母さんと一緒に帰るY君。
友達と楽しそうに遊んでいる。

私 「今日お母さんは」
Y君「お仕事」
私 「でもY君はお母さんがお迎えに来なくても
   大丈夫なんだよね」

彼は首を横に振った。

え…

Y君「かあちゃんに会いたい」

こんなこと言ったことがなかった。

スムーズ過ぎと感じたのは
私だけだった。
子どもたちは色々感じていた。
思っていた。
我慢していた。

ちょっとした表情を見落としたのか
そんな表情も見せなかったのか。
本当に大きくなった。
胸が熱くなった。

子どもって…。


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2009年7月21日 (火)

3歳の教え子が。

多摩市の幼稚園に勤務していた頃の教え子が
サッカーの試合で山梨県にやってくるという。

試合が終わり、S君と話す事ができた。

私 「S君、こんにちわ」
S君「お久しぶりです」

”お久しぶり”だって〜!!

そんな気の効いたことを言えるようになったんだ!!
と度肝を抜かされた。
が、なんの不思議もない。
彼は18歳なのだ。

グラウンドで1つのボールを
必死で追いかける彼を見ていたら
なんだか涙が出そうになった。
彼は
「お母さんがいないと寂しい」
と泣いていた子だった。

かっこいい爽やかな好青年に育っている。
3歳の頃、一緒に過ごしたあの教室と
今、目の前にいる青年がどうも噛み合ない。
頭ではわかっているが、
心が追いついていかない。
応援しつつ、心は別の所にある。
不思議な時間だった。

嬉しいとか懐かしいとか
それもあるが、そんな単純なものでもない。
だからといって、よくわからない。
その時自分は何を考えていたのか。

ただ1つだけわかった事がある。

あの子の人生のほんの一瞬だけを
一緒に過ごした私がいて、
そのほとんどを一緒に過ごすお母さんがいる。
そのことだけだった。

帰りの車では、
すがすがしい、クリアな風が心に吹いていた。
久しぶりに幼児教育の本を
たくさん買ってかえった。


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2009年7月19日 (日)

今日もすごかった、パン遠足。

恒例のパン遠足。
事前に子供たちには話してある。
①100円玉2個を持ってくること。
②お母さんにはお話していないので、
 自分でお母さんにお話をするように。
おうちの方には
子どもたちから話しがでるまで待ってほしいと言ってある。

毎回子どもたちが育つパン遠足。

今日もすごかった。

200円でなく2円を持って来た子(年少組Rちゃん)がいたのだ。
しかも、お母さんがすごい。

「この子が選んだので2円を持たせました」

といい、そっと200円を私に手渡して下さった。

案の定、パン屋のお兄さんは困り顔。
2円を出してニコニコしている子がいる。
「買えませんと言って頂けますか」と私が耳打ちした。

パン屋さん「このパンは130円なので、2円では買えませんよ」
Rちゃん、
固まった。

もう一度みんなの所にもどり、話し合う。

私「Rちゃん、これ(1円玉)とこれ(1円玉)を持ってきたので、
  買えないって言われちゃったの」

一瞬、全員の表情がくもる。
泣きそうな子もいる。

すると次の瞬間

「俺のを貸してあげる」

という子がいた。
G君(年中組)だ。


G君「俺、今日4つ(400円)もって来た」
私 「なんで」
G君「だって忘れる人がいると困るから」

しかも、あとでお母さんに聞いたら、
自分で考え、自分の貯金箱からお財布に入れていたらしい。

その瞬間Rちゃんの表情が晴れた。


帰り間際、私はRちゃんと話した。

私「どうして今日はパンを買えなかったのかしら」
Rちゃん「私、間違えちゃった」

これを聞いてホッとした。
「お母さんが間違えたの」でも
「お母さんが悪いの」でもなかったからだ。

お母さんのせいにしたら
なんの育ちにもならない。

こうして、恒例のパン遠足は無事終了。
いつも何かある、パン遠足。
そして、大人たちが、
ふるえるような光景を目の前にする。

帰り道、
私「もしGちゃんが400円持って来てなかったら、
  どうしただろうね」
Hちゃん(年長組)「私のを半分あげようと思ってた」

あぁ、育っている。
この子は1回目のパン遠足の時
お金をビニール袋に入れて持って来て、
底がやぶけ、お金を落とした子だ。

パンを買って食べる事が
目的ではない。
それによって子どもたちの何かが育つ。
確実に育っている
…と思う。

ちなみに、今日の主人公
Rちゃんの帰宅してからの一言。

「私、G君好き…かも☆」ですって!!!

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2009年7月 6日 (月)

困ったときこそ…。

歩く日。
週に1回は遠出をしている。

今日はおいしい学校へ。
片道1.7キロ。
道は年長組が案内する。
子供たちが決めるのだ。
と言っても決めるのは
どこのあぜ道を通るのか
ということくらいだが…(笑)

今日はいつもと違う道。
もうすぐゴール!という所で

あれ?道がない。

ないと言っても、あるにはある。
田んぼのあぜ道がなくなっていて
その先は幅15センチ程のコンクリートの道があるだけ。
片側は田んぼに水が張ってあり、
田植えがしてある。
もう片側は水路になっているのだ。

つまり、子供たちはその15センチのコンクリートの道を
バランスよく歩き、
その先の橋までたどりつかないと
先には行けないという道なのだ。

年長、年中組は
次々15センチを歩き、
橋にたどり着く。
15センチを通らずに
直接、水路を飛び越し、向こう側に着地する子もいる。

困ったのは年少組。
突然、全員不安な顔になる。
泣きべそをかく子もいる。

こんな時、私もとても困るのだ。
どこまで手を出そうか。
どこまで言えばいいのか。

そんな困惑をよそに
さっそく止まっているおばけ組を
迎えにいく年中組(R君)がいる。

「こわい?」
「大丈夫?」
「こわくないからおいで」と手を出す。
「ここに足をおいて」
「大丈夫だから」

自分のバランスもママならないのに、
ゆっくり声をかける。

惚れそうだ。

おばけ組さんもわかっているのか、
R君に全体重をゆだねる子はいない。
自分で歩く。
ちょっと手助けしてもらう。

こうして全員がカニ歩きで15センチを渡りきった。

大人はみんな胸がつまる。

今日もこれでよかった。
私は何もしなかった。
何も言わなかった。
そして子どもたちが育った。

帰りの反省会
年少組「こわかった」
   「楽しかった」
   「手伝ってくれて嬉しかった」

年長組「今日の道は失敗だった」…(笑) 

たくさん困って、
    心がゆれて、
    考えて、
    やってもらって、
    やってみて、
    うれしくて
    できて。

そしてたくさん心が育ってほしいのだ。

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