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2011年4月

2011年4月15日 (金)

あしあと

冬、裏山でクマの足跡をみつけた。
ピッコロでは森に行く前に
自分の弁当(リュック)を
園舎に入れていくことになっている。

人間の食べ物の味を覚えたクマは
再来する。
子どもたちを守ると共に
クマの命も守りたい。
人間の不始末でクマが殺される。
アラスカの原野では
この教育が厳しかった。
                   

園舎は古い民家だ。
狭い玄関を入り
1段高くなっている引き戸を引くと
もう畳の部屋になっている。

子どもたちはその半間の引き戸を開け、
手を伸ばして
畳にリュックを置く。
狭いので
25個ものリュックが重なりあう。
向こう側に転がる。
投げ入れるように置く子もいる。

リュックは戸口に山のように積まれるのだ。
                 

森から帰ってくると
すぐ昼食だ。
子どもたちはその狭い玄関で
ぶつかったり、重なったりしながら、
自分のリュックを持つ。
当然、奥に転がってしまったリュックは
長靴を脱がないと
とれない場所まで移動している。
             

と、昨日の帰り、
フト畳を見ると、その上に
黒いあしあとがあった。
子どもたちがリュックを置いてある付近に
クッキリ見えるのだ。

「誰か、
 長靴を脱ぐのが面倒なので、
 脱がずに畳にあがったわね」

「一言、言わないと」
                    

早速今日の朝の会。

私「畳に泥棒さんみたいな
  あしあとがあったの。
  泥棒さんかと思ってびっくりしちゃったよ。
  どうしたのだろう」

すると

「長靴を脱がずにあがった子がいる」

と疑っていた私の心を
見透かしたように
Mちゃん(5歳)が言った。

「長靴ではあがってないよ」

私「じゃあ、どうしてあしあとになるのかな」

Mちゃん「だって靴下が…」
                

あっ、、、、、、、、、、

ク、ツ、シ、タ、、、、、、、、

ク,ツ,シ,タでしたか、、、、、(汗

確かにあなたたちの靴下はキタナイ。              
              


面倒だからと
長靴のまま
あがる子はいなかった。

いっその事、
長靴であがってしまおうか
と思うのは大人のことだ。

、、、、、、、、、、、、
                

「子どもを信じて待つ保育」
とは
そこを信じてあげることではなかったか。
「長靴であがってしまう子が
 いるわけない」
と、、、。
              

あーー 
私は思えなかった。

信じることが
できなかった。

開き直っている訳ではないが、
なんだかんだ言っても
大人なんてこんな物だ。
ケガレすぎている


大人の価値観で保育をすると
危険が多すぎる。
                     

だから謙虚にいかないと。
               

「昨日、畳にあしあとがございましたが、
 どうしたかわかる方は
 いらっしゃいますでしょうか…」(笑)

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2011年4月12日 (火)

ノリがいやなんじゃない。

森でAちゃん(年長)が
私のところに来た。

「あのね。お客さんにあげたのは
 私が先に持っていたの」

と言った。
よーく話しを聞いてみると
こうだった。

今日、
修士論文の題材に
ピッコロを選んで下さった
大妻女子大、大学院生の方がいらした。
Aちゃんはその方に
葉っぱをあげた。

するといつの間にか
その葉っぱを
Sちゃん(3歳)が持っていた。
「それは私がお客さんにあげたものだから
 お客さんに返してほしい」
ということだった。

Sちゃんはそのお客さんに
承諾を得ずに
葉っぱをもらったらしい。
                

AちゃんがSちゃんに
何度説明しても
Sちゃんは
「いやだ」
と言ってその葉っぱを放さない。

困ったなー。

すると森のすぐ下で
K君(年長)が遊んでいた。
K君なら何とかしてくれるかもしれない。
K君を呼んで
コトの次第を話した。

するとSちゃんの正面で
静かにまっすぐ目を見て言った。

「返さなきゃだめだよ」

しかし音沙汰なし。
Sちゃんは
よっぽどその葉っぱが
気に入ったのだろう。

そうこうしているうちに
K君は坂の下の方へ
行ってしまった。

相手は理屈が通用しない、
宇宙人のような新入園児だ。

K君でもだめだったか…。

と思っていると
急に戻ってきて言った。
              

「じゃあ、返さないと
 チンチン見せちゃうよー!」

チ、ン、チンーーー?!?!
!!!!!!!!!!

ものすごくびっくりし、
まさかと思った。

するとK君が秒読みに入ったのだ。

「10、9、8、7、…」

えーーー!!!

私「Sちゃん大変!
  早く返さないと
  K君がチンチン見せちゃうよ!」

これは大変なことなのか
なんなのか、
全くわからなかったが、
間違いなくそこはそんなノリだった。

するとSちゃんも
あせったのか
地団駄踏むように足をバタバタさせて
あんなに放さなかった葉っぱを
急にAちゃんに返したのだ。

(わっ、すごい、返した!)

事のなりゆきにびっくりしていたら、
秒読みに少し間に合わなかったようで
振り返るとK君が
すでにチンチンを出していた。

一瞬、時が止まったようだった。
                   

すると次の瞬間
葉っぱを返したSちゃんが

「ワーン!」

と大きな声で泣き出した。


え?
何?
見ちゃったから?
ショック?
え?
なんで?


私「Sちゃんどうして泣いているの」

返答がない。

するとそばにしゃがんでいたしんさんが
冷静に言った。

「のりがいやなんじゃない」

ノリ?
海苔?
糊?

ますますわからなくなったが、
フトわかった。

そうか「ノリが悪い」ということだ。
               

確かにそのノリに関しては
私もどうかと思った。
               

たぶんこの解釈は
違うと思うけど
そこはそれでよしとした。
                 


が、K君がそばにいた。
「成功したね!」
と私が言ったら、
「うん」
とニコニコしていた。
私「チンチン見せれば
  返すと思ったの?」
「うん」
ますますニコニコした。
          

一部始終を
そばで見ていたお客さんは
大笑い。

私も
お腹をかかえて笑い倒れた。

こんな解決方法があったとは!★□?!☆*

             

泣いていたSちゃんは
いつの間にか
同じ種類の葉っぱをみつけてきて
それを手にもって
こちらもニコニコ。

そうか、
さっき泣いていたのは、
自分で葉っぱを返したものの、
あのノリで返してしまったので、
気づいたら悲しかったということか。


                   

しっかしこのノリ…。
見本にしなさい、
とは決して言えないけれど(汗
彼の精一杯の愛情表現だと
私は感じた。

無理矢理葉っぱを取ろうと思えば
3歳なんてチョロものだ。

しかしそれをしない。

相手を力で打ち負かすような
そんなやり方はしたくない。

彼なりのユーモアたっぷりの
笑っちゃうような方法で
その場を何とかしたかった。

しかも相手は宇宙人だ。
そんじょそこらの
手段では太刀打ちできないことは
わかっていた。

しかもこれは誰のため?
自分のためではない。


彼はそういう人だった。
                
               

その涙ぐましい行為に対して
どうしてだめと言えるのか。
どうして「そういう時はね…」と
偉そうに諭せるのか。
                   

手段は見えるが、
心は見えない。
              

もし仮に
今日のその行為が気になるのなら、
それは後日、
ゆっくりした時に
彼と話し合う方法がいいと思う。
                 

今日のこの場だけは
彼にあっぱれを出してあげたかった。
           

子どもの精一杯の愛情表現を
くんであげたい。
友の為に
何とかしてあげたいと思う
ひたむきな心を守ってあげたい。
               

道徳が大事ですか。
心が大事ですか。

どちらが先ですか。


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2011年4月11日 (月)

おばけが出るから

子どもたちとカエルのお墓を囲んで祈る。
墓は大きな石で丸く囲んである。
その真ん中にMちゃんが
雑草の花束を乗せた。

ナムナム…

すると新入園児のしんさんが
その花束の上に
回りの石を1つ取り、ガシッと置いた。

ワッ。

私は一瞬びっくりした。

子どもたちはとても静かに
それを見ていた。
そして誰かが石をどけた。

続き
ナムナム…

するとまたしんさんが石を乗せた。

ワッ、また。

子どもたちはどうするのかと思ったら
またもや全員シーンと黙っている。
そしてまた誰かが石をどけた。

で、また。
3回目の石。
誰かがどけた。

さすがに3回ともなると
これはしんさんの意志を感じた。

私「しんさん、どうして石を乗せちゃうの」

するとしんさんが言ったのだ。

「おばけがでるから」

おばけーー!?!?
、、、、

びっくりしたが、
しかしそれが彼の理由だった。
彼は怖いおばけを
自分でどうにかしたのだ。
石でふたをした、すごい。

しんさんに
「こらー!だめでしょー!」
と怒らなくて本当によかった、
と思った。

が、それと同時に
どうして回りの子どもたちが
黙っていたのかが
気になった。

ピッコロっ子なら
「あー、いけないんだー!」
「お花がかわいそう」
と言いそうなものだ。

そこで後日
子どもたちに聞いてみた。

私「どうしてしんさんが花に石を置いたのに
  だまっていたのかな」

花束を作ったMちゃんに聞いた。

「いやだった」
私「でもどうして何も言わなかったの」
Mちゃん「わからない」
    
私は本人はわかっていると思った。
ただ心を言葉にすることは
非常に難しいのだ。

Aちゃん(5歳)「おこりたくなかった」
私「えっ、怒りたくなかったの。どうして」
Aちゃん「かわいそうだから。卒園児みたいに怖くしたくなかった」

と言った。

先日卒園した年長組は
しっかりピッコロっ子を
まとめてくれた。
優しく時には厳しく。

好きだけど怖かった
卒園児の存在。
最上級生になったAちゃんは
同じようにはしたくなかった。


K君(4歳)はこう言った。

「花はまた摘めばいいと思ったから
 何も言わなかった」

ワッ…。

そして

「でも(花束をつくった)Mちゃんは
 どう思ったかは
 わからないけどね」

とも言った。


4才の男の子が
そこまで人の心を気使う事ができるのだろうか。
しかもフトコロが深い。
雑草の花束は
また作ればいいのだ。

大人はそうは思えないし
思いつきもしない。
責めるが叱るかがせいぜいだ。
                      

墓を囲んだ子どもたちは
どうしてしんさんが石を乗せたのか
その理由を理解した。
私はその為に保育をしているのだ。

私の好きな本に
『リトル トリー』がある。
その中で
「愛情をそそぐということは理解すること」
という話しが出てくる。
非常に奥が深い話しだと思う。

私は毎日の生活を通して
ピッコロっ子同志が
それぞれを理解してほしいと思っている

しかし人が人を理解するということは
とても難しい。
行動の裏の気持ちを表す、
目に見えない事を伝えるということだ。

その橋渡しを私がしている。
これが仕事だ。
                


そして最後、
怖い事に
今回、理由も聞かないで
「こらー!しんさん。
 花に石を乗せてはだめでしょー!」
とやったら
この子はずっと
心を開いてくれない。
今後、
一切理由を話してくれなくなるのだ。


子どもを信じるということは
こういう事だと思う。

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2011年4月10日 (日)

第5回 ピッコロ入園式

晴天の中
5回目の入園式を無事終えました。
5回目かー、感慨深いです。

私はピッコロを始めて3年間、
自分の保育は
本当にこれでいいのかと
ずっと悩んでいました。

園児の人数も集まらず
自分では信念をもってやっているつもりでも
世間には通用しない、
独りよがりです。

しかしどうしても
自分の思う保育をやってみたかった、
世間に対して
今までの自分を試したかった、
で、だめならやめます、
と。

                    

ピッコロ5年目。
今日、総勢80名程が集まって下さいました。
うそのように有難い。

式の後
恒例のもちつきをしました。

お父さんがもちをつき
たくさんの子どもがその回りで

「よいしょー!よいしょー!」

と声をかけていました。
             

                          
その光景をみて

“なんて平和なのだろう”
“そしてなんて有難い…”

と思いました。

               

今日私は式の中の黙祷で
森の神様に
今年も子どもたちを正面から見られる保育をし、
被災地に思いを馳せる旨を
伝えました。

どうか今年度も
安全に
イキイキと
ピッコロっ子が育ってくれますように★

森の神様は
なかなか手厳しいですからねー(汗笑

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2011年4月 8日 (金)

被災地ボランティア報告会

被災地にボランティアで入られた方
2名が報告会をして下さいます。

公共のニュース、ラジオでは言えない(言わない)
話しが聞けるといいですね。

詳細は下記です。
よろしくお願いします。

*********************************************
日 時  4月18日 19:30頃〜
場 所  Cafe くじらぐも  0551-25-4053
        http://ameblo.jp/yasurinpime/
報告者  ①ふしみまあやさん
     まあまみーのメイドインオレん家を楽しもう     
        http://ameblo.jp/mayamammy/
     ②中島和也(かすぼう)
      キャンピカ明野ふれあいの里キャンプ場勤務
      HP http://www.campica.jp/akeno/index.html
      個人ブログ 「Camp North アウトドアサービス」
        http://stampy4.blog59.fc2.com/
      
*********************************************
くじらぐもさんが場所を無料で提供して下さいます。
お土産大歓迎〜★

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被災地ボランティアの1日

被災地にボランティアに行っている
かずぼう(夫)。
いったい現地では何やってるの???

別ブログでアップさせて頂きました。

ブログ「Camp North アウトドアサービス」
http://stampy4.blog59.fc2.com/

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小学館「保育ネット」にピッコロっ子公開★

小学館「保育ネット」で
ピッコロの子どもたちを中心とした
スライドショーが公開されています。

http://family.shogakukan.co.jp/teachers/youjitohoiku/

「がんばろう日本!」ボタンをクリックします。
                       
              

「にじ」の作曲者でもある中川ヒロタカさんが
今回の大地震で被災した方々や
ショックを受けている人たちに、
もう一度それぞれのふるさとを
思い出してもらうために、
自作の音楽を贈りたいと提案があったそうです。
それを受けて
「新幼児と保育」(小学館)の編集長さんが
ピッコロ保護者で写真家の
砺波周平さんへ連絡。
子どもたちの元気な姿と曲を
スライドで合わせていきたい
という経緯でできあがりました。
素敵な贈り物です。

どうぞ皆さんの暖かい力が
早く東北地方の森の神様に
届きますように。


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2011年4月 7日 (木)

ピッコロ始まりました

今年度、初登園日。

当然、新入園児は泣いている。
泣いているしんさんを抱っこしていると
みんなも心配顔。

子「お母さんに会いたいのじゃないの」
子「お母さんだよ」

みんな知っている。
はなさん(年少)「泣きたいんじゃない」
そうか、泣きたい時には
泣かせてあげたいということか…。
みんな本当に優しい。

しかし余裕の子もいる。
Mちゃん(年長)「そのうち泣きやむから」
K君(年中)「そうそう、練習だし」
 (なんの練習?)
ぜんちゃん「ゼンタも泣いてたし」
そのみんなのつぶやきを
抱っこのしんさんも聞いている。

そこにAちゃん(年長)が
ホラ、とミントの葉っぱを持ってきた。
私「もうミントが出てるのー」
Aちゃんの案内先に行ってみると
小さい小さいミントが出ている、春だ。

子どもたちはミントの葉の匂いをかいだり
食べたり(?)している。

よし君は
「これ味噌にはさむとおいしいんだよねー」

あー、そうそう、
去年確かミントで味噌をはさんで食べてたっけ。
私は全くナンセンスな組み合わせだと思ったが
子どもたちには意外と好評だった。

子どもってどんな味覚ー?
いや大人が衰えてるのかー?

と、ミントの前であれこれしていたら
Mちゃんが言った。

「ね!言ったでしょ!」

ハ?
と思ってMちゃんの視線の先を見てみると

しんさんが泣いてない。

ミントを口にして変な顔をしていた。


泣いているしんさんを
どうにかしようと右往左往するのは
大人だけかもしれない。

すでに見守っている子どもたち、
先がわかっているからだ。

今年も初っぱなからアナドレナイなー、ピッコロっ子。

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2011年4月 6日 (水)

被災地ボランティア

かずぼう(夫)の
被災地でのボランティアの連絡を受け
別ブログに
アップしました。

よろしくお願いします。

「Camp North アウトドアサービス」 ブログ
http://stampy4.blog59.fc2.com/

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