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2011年11月19日 (土)

北風と太陽

森に行く前には
毎日園庭のお墓に手を合わせてから出発する。
地面に石で丸く囲った中に
カエルやヘビが眠っているのだ。

今日もナウナムしてから森へ入ろうと思ったら、
お墓がない。

「お墓がない?!?!」

「なんで?!?!」


トッサにわからなかったが、そうだった。

昨日は190人規模の
ピッコロ祭りだった。
園庭にたくさんのお店がならんだ。
そう言えばこの上にも
リサイクルショップのブルーシートがあった。

「あーーー!そうだった!!」

ピッコロ母が店の為に
お墓の石をどけてくれたのだ、きっと。
そして私も
そこで古着を売っていたではないか!!

それにしても気づかないなんて。
しかも墓の上だ。

あーーーー。

わかって落胆した。


しかし落胆していても仕方がないので、
子どもたちと墓があった地面に
再び石を丸く並べ始めた。

が、並べている最中に
ふと疑問がわいてきた。

(あれ、子どもたちは墓の上に
 お店があったことを
 知っていたのかな)
                   

私「みんなはピッコロ祭りの時に
  お墓に上にお店があったことを知っていたの」
                   

子「うん」
子「知ってた」


「知っていた」にはびっくりした。
                  

では知っていたならなぜ
「そこはお墓だからダメだよ」とか
「違うところでやって」と
言わなかったのだろう。
                      

私「ではみんなはなんでそれを
  大人に言わなかったの」


子「もうお店が始まっちゃったから」

子「引越すのは大変だと思ったから」

子「せっかくお母さんたちがやっているのに、だめだと思って」
                  

またまたびっくりした。

彼らは何もかものんでいたのだ。

そこがお墓だと言うことも、
お店を広げてから移動するのは大変だということも、
今更言ったら、大人がかわいそうだという事も。

だから何も言わなかった。


大人を許しているのは
いつも子どもの方だ。


                       

情けなかった。

彼らのその思いの上で
古着を嬉しそうに売っていた私。

あぁーーー・・・。

                             

その出来事を後日、お母さんミーティングで話した。

リサイクルショップ担当のお母さんがびっくりして
帰宅後K・はると君(年中)に謝ったそうだ。
するとはると君はこう言った。

「僕に謝らなくてもいいよ、
 カエルに謝れば」

ごもっとも。
すごい。

                
                   


翌日はると君のお母さんが
朝の会でその件を
子どもたちに謝りに来て下さった。
いいお母さんだ。
                     

母「お墓の上でお店をやってしまい
  ごめんなさい」

一瞬子どもたちが
シーンとなった。

するとAちゃんが言った。

「知ってたの」

母「知らなかった」


子どもたちは次に
何を言うかと思っていた。


「大人なのにどうしてわからないの!」
「なんでお墓の上でお店をやったの!」
「カエルがかわいそう!」

そう言うかと思っていたが
まったく違った。

                        
                        


「お母さんたちはいつもピッコロに来ていないから
 わからなかったのじゃないの」

「自分たちが早く(店を始める前に)言えばよかった」


大人を責める子は1人もいなかった。

胸が熱くなった。
                       


何かがあった時、
人のせいにすることは簡単なことだ。
しかし自分もいけなかった、
そこに落ちてほしい。
すべての原因は
自分にもある。
そこには謙虚も同席するからだ。

そしてそこに落ちた方が
心が楽になると思う。
私はそんな子に育ってほしいと思っていた。

                       
                         


そして更に子どもたちはすごかった。
今後こんなことがないようにするには
どうすればいいか、
という話合いになった。
                 

子「覚えておけばいい」
子「書いておけばいい」
                   

結局出た結論はこうだ。

「パイナップル(年長組)は卒園してしまうので、
 うさぎ(年中組)に言っておく」

年長組が引き継いだ。

うさぎ組は力強く
「わかった」
と言った。
                   
                    

後日はると君のお母さんと話しをした。

母「何を言われてもいいと思っていました」

お母さんは覚悟されて朝の会に
来て下さったのだ。

母「しかし責められた方がよかったです、
  余計辛かった」

と。


子どもたちの大人を許す態度に
お母さんはグッときた。
心が温かくそして深く落ちたそうだ。
  


北風と太陽。


子どもたちはいつも太陽だった。
相手をそこまで、、、、
と思う程、理解しようとする。

私の大好きな一冊。
「リトルトリー」
愛することは理解すること。

そう子どもたちは必死で毎日
友を、
大人を、
理解しようとしているのだ。


大人はアサハカだ。

                           

いくつもの温かい太陽の元で
ピッコロっ子は3年間を過ごす。
優しい光に照らされながら
心の根っこが
長く、太くなっていく。
               


だから私は
ピッコロをやっているのだ。
子どもは本来温かいものだと思う。
もしそうでないことがあるならば
それは大人(社会)のせいだと思う。
                
                  
                  

                         
                     


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